Vol.3 AI活用が進んでいる会社と進んでいない会社の3つの違い

「企業は人なり」とよく言うが、まさにAIのプロジェクトを見ていると人だな、と思う。


3つの違いをまとめると以下のようになる。

1-前例のない事象を意思決定できるリーダーがいるか否か

2-前例のない事象を意思決定するに足る投資対効果を証明する情報を収集できる専属チームがいるか否か

3-前例のない事象を恐れずに導入に協力的に動ける現場がいるか否か

そう、まとめてしまうと、「いいチームか否か」という話になる。リーダーと、その意思決定を補佐するチームと、自分たちの仕事をよくしたいという現場と、この条件がそろっていれば、どんどん仕事は効率化されていく。

ところが、どこか一つでもボタンを掛け違えてしまえば、プロジェクトは全く進まない。僕が一番言ってあげたいけど、言うのをとどまったセリフはとてもシンプルなものだ。

「AIはいいから、組織体制を見直したらどうですか・・・」

いろいろな考えがある。だから、全否定するようなことはとてもじゃないけど言えない。AI事業活用の現場には長くいる僕らだが、別に経営や、経営企画の部署での取り組み経験がとてつもなく長いわけではない。

でも、各社が取り組んでいる様を見ていると、本当に別の問題が浮かんでくるのである。AIプロジェクトのみならず、そこにはすべての事象における意思決定の構造が見てとれる。

検討進捗の早い企業、遅い企業。

自分でやりたい企業、丸投げしちゃう企業。

トップダウンでしっかり意志共有しながら進む企業、進むたびにどこかの部署が横やり入れてきて振り出しに戻ってしまう企業。

企業の性質が見えてくる。

一番重要なのは2番だと感じている。関節にあたる部門、今回の話で言うところの「投資対効果を証明する情報を収集できる専属チーム」である。

こんな話は別にAI活用に限っての話ではもちろんないのだが、この部署が機能している企業は話が進みやすい。ほとんどの場合、僕たちが共にプロジェクトを進捗することができたのは、この部署が機能している企業様とである。やりとりが迅速で、必要資料の準備なども怠らない、しっかりとした企業様である。そういう体質の企業様はプロジェクト進捗が早く、結果的に他者をおいてけぼりにするわけである。

一方で、進捗の悪い企業は結局のところ他責精神の塊の企業である。たとえば、データがない、上司が理解してくれない、予算がない、様々な話があるが、大体の事象に実は解決策や突破口があったりする。いろいろな部分で言い訳が入り、結果的に進捗できない企業が世の中にはたくさんあるわけだが、本質的にはその企業内部にいる人の問題であるとまとめてしまいたい。

もし、本質的に、AIを始めとした新しきを活用することにより、社内の変革を望むのであれば、新しきを検討するために最適な組織構造を創ることが重要だ。ここがうまくいかない企業は、それゆえに未来永劫変化することなく、気づいた頃には危機的な状況となっている可能性すらあるわけだ。

そういった手遅れにならない内に手を打つ判断のできるリーダーがいる会社は結局いつまで経っても成長と変化を続けていくことも言うまでもない。

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